日本ベトナム国際交流市民マラソン大会

 


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本大会は、日本ベトナム文化スポーツ交流センターの国際交流活動の一環として開催致します。
 
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◆渡辺雅之プロフィール
・ベトナム国際ニャチャンビーチマラソン実行委員会副委員長
・東京学芸大学教授・東京学芸大附属竹早中学校校長
・NPO法人いろはにほへと塾塾長

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新シリーズ#2: What’s ホンノンボ ?  (2011.10.28)

「ホンノンボ」って何?宮田さんの本の書評を見た時に不思議な語感として吹き込まれるものを感じ取りました。 ホンノンボって何だろう?私は、ベトナムでは見たことがない。でも、ベトナムではポピュラーらしい、のだ。

 その本の題名はさておき、著者たる宮田さんについて明らかにしましょう。 宮田珠己(みやた たまき)。兵庫県生まれ。旅とレジャーのエッセイを中心に執筆活動を続ける。主な著書は、

 「旅の理不尽 アジア悶絶編」

 「ウはウミウシのウ シュノーケル偏愛旅日記」

 「ジェットコースターにもほどがある」

 「ポチ迷路」

 「ときどき意味もなくずんずん歩く」

 「わたしの旅に何をする」

 「東南アジア四次元日記」

 「晴れた日は巨大仏を見に」

 「なみのひとなみのいとなみ」

 「スコットランド日記」

 「スコットランド日記 深煎り」

 「だいたい四国八十八ヶ所」

と、奥付にはある。

  うーん、並のライターではなさそうな書名が並んでいる。

  今回の本は、退屈したベトナム旅行中にふと目にしたことから始まる。そして、ホンノンボを求めて、ベトナムには数度、さらに香港、中国にまで足を伸ばしたというもの。ホンノンボって、何なのだろう?

 宮田さんがホンノンボに初めて出会ったときのことを次のように書いている。

  それは、まったく子供じみていて、大人がこれをつくっているところを想像してみると、その光景はとてもマヌケに思えた。マヌケで、そして、とてもナイスだ。

  が、帰国後、ホンノンボのことはもうすっかり忘れていた宮田さんであった。

 ところが、ロルフ・スタン(フランス、東洋学者)の著書「盆栽の宇宙誌」の中で宮田さんはホンノンボを再発見してしまったのだ。書名の盆栽という訳も、実は日本の盆栽とはまったく異なるのであるが、とにかくここに出ていたのだ。しかも、道教的宇宙観に基づいてつくられているらしい、と。

 ホンノンボとは、盆栽とはまったく異なり、流しのようなものに水を張り、そこに岩を置き、かつ岩の所々に陶器でできた家やら人間やらのミニチュアを配したもの、である。そう、宮田さんの書名は、「ふしぎ盆栽ホンノンボ」(講談社文庫)である。

  やがて、東南アジアを旅行して本を書くために、ハノイやフエに寄ったときに、またまたホンノンボに出会うのである。その印象とは、「それは強烈に自分の存在を主張していたというよりは、どこにでもあるために、かえって目に入らないような存在であった。」

  続けよう。「そこには、その盆栽なりの世界がはっきりと存在しているのが感じられた。それはただヘンなのではなく、伝統にのっとった一定の秩序、あるいはルールというか、体系があるようなのである。」

 が、「仮にも一国の伝統文化が、こんなおもちゃのようなマヌケな感じでいいのか!」と思っていても、もうその虜になってしまった宮田さんであった。

  前述のロルフ・スタンの本は1942年頃の刊行という。つまり、「こんなのん気なものが、ベトナム戦争を生き抜いたのは、驚くべきことだ。おそらく、兵器に改良することもできないし、食べられもしないからにちがいない。攻める側からしても、爆破したところで、敵にダメージを与えないから、とくに達成感はないわけである。つまり、ホンノンボはちっとも役に立たないがゆえに、生き残ることができたということだ。何ごとも、長生きの秘訣は、役に立たないことなのである。」と達観されている宮田さんであった。

  この「ふしぎな盆栽ホンノンボ」には52枚の口絵がある。また、56点ものミニチュアの写真もある。が、これまでのベトナム訪問で私はまったく見たことがない。それは、宮田さんが言うように存在を主張しない故に目に入らなかったのかもしれない。次回は是非にも見つけたいものである。

 この本のお陰でベトナムへ行く楽しみがまた増えた、と思う。

 
 
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