「第3回ベトナム国際ニヤチャンビーチハーフマラソン2012」開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。日本国内各地からご参加の皆様、ベトナム人ランナー、ベトナム在留邦人及び外国人ランナー等、多くの皆様にご参加いただきますことは、大会関係者としましては大きな喜びで、心から歓迎申し上げる次第です。
本大会は、日越スポーツ交流促進、ベトナムのスポーツ発展に協力することを主たる目的として日本・ベトナム共催により2009年より開催されています。大会はベトナムにおける唯一の市民参加型国際マラソンです。開催地のニヤチャンは国際的なビーチリゾートとして近年脚光を浴びているベトナム中部の美しいビーチリゾートです。2008年には「ミスユニバース世界大会」が開催され、以降、国際的にも知名度が高くなっています。同地はベトナムでも最も気候温暖な地で、かつ、美しい海岸線を有しており、ハーフを含めて3種目の往復全てのコースから、海を眺めることのできる素晴らしいコースです。
ベトナムにおける国際マラソンは、92年2月、75年の南北ベトナム統一後初めて、ホーチミン市で「ベトナム国際マラソン」(フル、ハーフ)が開催され、ハノイと交互に5年間開催されました。ベトナム政府は開かれたベトナムを世界にアピールするためには、マラソン大会が最もふさわしいと開催したものです。第1回は日本、ヨーロッパ等の他、当時はまだ国交のない米国からもボストンマラソン優勝者等、多くの米国選手にビザを発給し、国際的にも大きな反響をよび、日本でもTV、新聞等でも大きく報道されました。
1998年開催の「トヨタハノイハーフマラソン1998」を最後に、ベトナム国内では本格的なマラソン大会は開催されず、ベトナム側官民各界より、ベトナムのスポーツ発展のためにも早い時期の国際マラソン開催が強く望まれていました。2009年10月の「第1回ベトナム国際ニヤチャンビーチハーフマラソン」は、ベトナムにおける11年ぶりの本格的なマラソン大会となり、時宜を得たものとして、ベトナム国内においても大いに歓迎されることになりました。
ベトナムはベトナム戦争以降苦難の道を歩みながら、現在は経済面ではアジアの優等生と言われている等、経済面でも大きな発展を遂げています。近年、日本からベトナムへの進出企業は急増しています。日本・ベトナム間においては、政治、経済、文化等あらゆる分野で極めて緊密な関係にあります。しかしながら、スポーツ分野においては、サッカー、バレボール、柔道等のエリート選手の交流以外は、一般市民参加型スポーツ交流はほとんど行われていなかったこともあり、一般市民参加による本マラソン大会についての関心は、ベトナ国内においては年々高まっているところです。
ベトナム政府は“青少年の健全なる育成はスポーツ振興が最も重要”というスローガンの下でスポーツ振興に力を入れています。しかしながら学校教育の場においてはスポーツ施設が不十分なこと等もあり、教育の場におけるスポーツ振興は今後の課題となっています。昨年のアジア競技大会では中・長距離女子選手のメダル獲得選手が複数名出る等、今後における陸上競技の活躍は大いに期待されています。
このような環境下においてスタートした本大会はベトナムのスポーツ発展に大いに寄与するものとして日本・ベトナム側より大きな期待を寄せられております。日本側としても日本・ベトナム・スポーツ交流の象徴的な本大会を更に発展させるべく努力して参りたいと思っています。日本・ベトナム・スポーツ交流促進のためにも、多くの日本人ランナーの皆様の参加を期待している次第です。
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